Jフード・ダイアリーズ

疲れたらカレーを飲め、と或る人が云った

抽象的な、余りに抽象的な

先輩が、けっこう大きなミスをした。

 

何の義理もないが、暇だったので、助けてあげることにした。

 

それにより、先輩の過失は、どうしようもないミス・起こり得るミスへと変わった。ぼくは普段の業務をするかたわら、半日ほど、先輩のために色々な工作をしなければならなかった。すごく疲れた。

 

先輩は“ありがとう”とも言わなかった。

 

ミスをぼくに知られたことを恥じていた、悔いていた。

 

表情でそれがわかった。

 

休憩中、ひとりタバコ(加熱式)を吸っているときにある疑問が頭をよぎった。

 

もしおれが困ったとき、先輩は助けてくれるだろうか?

 

しかしそれは無意味な問いだった。

 

というのも、困っても、その先輩に助けを求めることはないから。

 

では、なぜ助けたかと言うと、先にも書いたが、単なる暇潰しである。

 

ただ、心の片隅には、いい人と思われたい気持ちがあったかもしれない。

 

要するに、人助けの誘惑に負けたわけだが、おれ自身は大いに満足している。

 

この日、いちばん面白い出来事だったからだ。

 

 

 

明日はもっと楽しいことがあるだろう、たぶん。