Jフード・ダイアリーズ

疲れたらカレーを飲め、と或る人が云った

低燃費人生

12/18/2020

 


職場で、仲良くさせてもらっている先輩がいる。


名前は武藤(仮名)さん


武藤さんはスキンヘッドでレスラーみたいだけれど、実に優しくて、新人の頃はよく助けてもらった。もう10年来の付き合いだが、変わらず接してくれる。


感謝しかない。

 

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武藤さんはあまり仕事をしない。働き者ではない。斜に構えている。そのくせ、金持ちである。労働者にしては、貯金が潤沢である。


貯金額など、普通は口に出さないし、そもそも自慢するような人ではない。気を使わない後輩であるぼくと話しているときに、たまたま、口を滑らせてしまったのだろう。ちょうど、老後2000万問題で世間が騒いでいたときだ。

 


ぼくはその額を聞いて、武藤さんを見る目が変わった。人として、より好きになった。ただ、お金に対する考えを聞いているうちに、ぼくとは根本的に違う人なんだと思い知った。

 

 

まず、武藤さんは独身だ。もてないわけではないし、浮いた話を聞いたこともある。でも基本的には孤独を愛していて、自由を侵害されることをひどく嫌う。

 


第2に、彼は実家住まいである。要軽介助の親御さんと同居。親御さんはシッカリ働いてきた方なので、年金はそこそこもらえる。持ち家なので、家賃はかからない。幾らか家に入れているが、あくまで幾らかだ。光熱費・車は親持ち。車検・税金も親持ち。羨ましい!

 


そして第3に、彼は無趣味だ。酒もタバコもやらない。競馬もパチンコも嫌い。休みは何してるんですか、訊くと


「ソファで昼寝」


と笑っていた。テレビをつけっぱなしのまま寝るととても贅沢な気分になれるらしい。よくわからん…

 


傍から見たら、家と職場の往復だけしているオッサンかもしれないが、けっこうオシャレだし、悲愴感は全くない。

 


武藤さんにとって、金がない・金がなくなるという事態が、そもそもあり得ないことだった。


「金は生きていれば自然に貯まるものだ」


さらりと言っていた。生きているだけで金がなくなっていくぼくの人生とは大違いだった。

 


彼はとても燃費が良いのだった。

 


節約しようと努力しなくても、結果的に節約人生を歩んでいる。


ぼくは彼のように生きられないし、生きてこなかったけれど、心から尊敬している。